女性の生殖細胞である卵子は、お母さんのお腹の中にいるときにすでに700万個と最も多く、その後減少して、生まれたときには200万個、思春期の初潮のときには50万個の卵子を卵巣に持っています。
そしてこの卵細胞の発育に伴って、女性ホルモンであるエストロゲンが分泌し、2次性徴や女性らしい体型などが形作られていきます。思春期以降の女性では、常に十数個の卵細胞が発育を開始しています。
そのうち通常は毎周期1個の卵子を排卵しますが、そのほかの大部分の卵子は消滅します。そうしてその後も卵子数は減少を続け、50歳過ぎには完全になくなってしまいます。現在の日本女性は平均51歳で生理があがっています。
女性にとって、生理があがるというのは、卵子を体の中に蓄えていない状態、つまり生殖活動を終わりにしたということです。生物学的には「女性」ではなくなったのですが、生理があがったとしても性欲がなくなったというわけでもなく、女性としての魅力を保ち続けている人もたくさんいます。
生理があがる前兆はそれこそ千差万別です。参考までにいくつか挙げてみると
・まず生理の周期が開くようになります。今まで比較的規則正しい周期で生理がきていたのに、間隔が乱れてきて「あれ?もしかして」と思うようになります。出血量も一時的に多くなりますが、その後徐々に減少して生理があがった。
・1か月に2回も生理がきたと思ったら、今度は2、3か月こなかったり。予定日でないのに突然、不正出血が出ることもあり、ナプキンを常に携帯していないと不安でたまらなかった。
・1回あたりの生理の期間が長くなり、普段は1週間くらいだったのが10日くらいになったり、逆に3日くらいで終わってしまったりと、とにかく生理のサイクルや量が乱れっぱなしという時期が3年ほど続いてようやくあがった。
このように生理があがるまでのプロセスは人それぞれです。自分がどのパターンで生理があがるのかを知りたい場合、もっとも有力視されているのが自分の実の母親から生理があがった時期の状況を聞くというもの。どうやら遺伝子の関係で体質が似ている場合が多いので、症状などが似てくるようです。
基礎体温の変化で生理があがる前兆を知る
女性の体温は排卵期を境として、低温期と高温期に分かれます。生理が終わって排卵日までの間は卵胞ホルモンであるエストロゲンが活躍して、低温となります。そして排卵があると、今度は黄体ホルモンであるプロゲステロンが生理開始直前まで働き続け高温状態を維持します。
生理があがるとこの高低差がなくなり、体温が一定となるので、排卵が行われていないことがわかります。生理があがったかどうかを調べるためには血液検査などの方法もありますが、普段から基礎体温を測っておけば、こうした変化もわかりやすくなります。